企業と連携したオリジナル授業で、若年層のファンづくりに貢献
~ 株式会社ARROWS(アローズ)
「先生から、教育を変えていく。」というビジョンのもと、学校教育の変革に取り組む株式会社ARROWS。企業と連携して制作した教材を、全国の小・中・高校に届ける「SENSEI よのなか学」は、先生から支持を集めるとともに、若年層との新しいコミュニケーション手法として企業からも注目されています。今回は、Sales Managerの田口佳之氏にお話をうかがいました。
-御社の特徴について教えてください。
学校教育は将来を担う子どもたちを育てる場であり、その最前線に立つ先生には可能性があふれていると考えています。しかし、その可能性を発揮するうえで、先生を取り巻く環境には課題が山積しています。私たちは、そうした現状を、先生とともに変えるべく事業を展開しています。
2013年の創業以来、先生限定のオンライン掲示板「SENSEI ノート」を運営し、横のつながりが不足しがちな先生同士の交流を支援してきました。先生方との接点がない中でのスタートでしたが、一人ひとりの先生に直接会い、丁寧に話しを聞きながらニーズに応えることで信頼を積み重ねてきました。
2017年には「SENSEI よのなか学」を開始。教科書では伝えきれない“世の中の今”を授業に取り入れたいという先生の声に応え、企業が持つ最新情報を教材に変換し、提供しています。現在では、10万人以上の先生が当社のサービスを利用しており、日本最大級の先生限定コミュニティへと成長し、当社の事業基盤となっています。
-「SENSEI よのなか学」は、企業の課題解決にもつながるのでしょうか?
「SENSEI よのなか学」は、企業の事例を教材に変換することで、「自社の製品・サービスを子どもたちに知ってもらいたい」という企業と、「子どもたちに世の中に触れる機会を作ってあげたい」先生をつなぐサービスです。
教材には授業の台本まで含まれており、先生は負担なく授業に取り入れることができます。一方、企業は、直接学校を訪問しなくても、全国の子どもたちにメッセージを発信することが可能です。
先生への教材提供は無料で、企業に費用を負担いただく仕組みです。だからこそ、若年層や親子にアプローチしていきたい企業・ブランドのマーケティング効果(好意度の向上や、ブランドイメージの変化等)の創出を図ることで、企業の課題解決にも貢献しています。
-企業にとって、どのようなマーケティング効果が期待できますか?
企業とともに作り上げた教材から得る学びは、リアリティがあり、子どもたちの好奇心を刺激し、企業を知るきっかけになります。また、特別な授業は、原体験として記憶に残り、企業への好感形成につながるほか、家庭での話題を通じて保護者にも共有されます。
このような価値が評価され、食品・飲料や、自動車、金融、ITなど、日本や世界を代表する幅広い業種の企業に参画いただいています。事業開始以来7年間継続して取り組まれる企業もあり、私たちも確かな手ごたえを感じています。
思えば「SENSEI よのなか学」を最初に活用いただいたのはGoogle様で、「検索」をテーマにした授業を中高生に向けて行いました。検索リテラシーが高まると生徒からも好評で、子どもたちの前のめりな姿に胸が熱くなり、やって良かったと心から思えました。
-子どもたちの可能性も広げているのですね。
これまで「SENSEI よのなか学」は、延べ250万人以上の子どもたちに学びを届けてきました。規模の大きいものでは、1教材で11万人、学年全体の約1割に届く教材もあります。離島などの小さな学校からも申し込みがあり、都市との体験格差を埋める機会にもなっています。地域の壁を越えられる点に私自身とても魅力を感じており、子どもたちの興味の幅をもっと広げられるよう、様々な学びを届けていきたいと考えています。
-国からも評価されていると伺いました。
教育現場と社会のギャップを埋めるビジョンと、ユニークなビジネスモデルが高く評価され、2024年には「第24回Japan Venture Awards」(中小企業基盤整備機構主催)で中小企業庁長官賞を受賞し、2025年12月には日本サービス大賞の経済産業大臣賞も受賞しました。
もともとは社員採用面でのブランド力を高める目的で応募したのですが、受賞によって社内の士気が高まり、家族も喜んでくれました。そして何より、クライアント企業の皆様が、自分のことのように喜んでくださったことが、とても嬉しかったです。
-今後の展望についてお聞かせください。
先生を起点に、全国の子どもたちに学びを届け、その学びがもたらすマーケティング効果を企業に還元する。この「三方よし」の循環を、さらに大きく育てていきたいと考えています。
授業を通じた若年層のファンづくりに興味のある企業の皆様は、ぜひ一度お話しして、ご一緒できればと思います。
【会社概要】
社名:株式会社ARROWS
設立:2013年2月
代表者:代表取締役社長 浅谷治希
所在地:東京都港区西新橋1-1-1 日比谷FORT TOWER 10階
事業内容:学校教育変革事業
Webサイト:https://arrowsinc.com/
お問い合わせ:info@arrowsinc.com
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